ベティは、自分が使うスキン・ヘアケア製品は、
健康食品店で買っていましたし、
ひそかに菜食をしていました。
そのうちマンハッタンの下町に、
健康食品店を開こうかとも考えていました。
けれど、今は仕事と割り切って、
役割を演じるしかなかったのです。 「社長、ブロンドの売れっ子テレビスターを押さえておきました。
彼女はコマーシャルで 、
『 ファインゴールドは私のために作られたのよ 』 とだけ言うのです。
白クマの毛皮を着て・・・・・。」と、
宣伝部長は声高に言いました。 「そうか、それで彼女はいくらかかるのだ?」 「 10 万ドル(約 1 千万円)で手にいれました。お買い得ですよ。」 「おお! で、彼女とつき合うにはいくらかかるんだ!?」 みんなが大きい声で笑ったので、
ドクはまた目を覚ましました。 「私がいつも言っていることを覚えておるだろう?」 ファインゴールドは続けました。 「女性が化粧品を使う唯一の理由はな・・・・・。」 笑い声のおかげで、ファインゴールドのおきまりの女性論と、
彼の製品を買わない女性へのグチをみんなは聞かずにすみました。 ファインゴールドは、
以前、新商品のアイディアを求めて健康食品学会に、
参加したことがあります。
そこで出会った批判的な若い女性たちの姿が、
長年彼の頭にこびりついているのです。 彼女たちは、ファインゴールドの作る製品はゴミで、
彼は化学薬品会社と組んで、
地球を汚している資本主義のブタだと言ったのでした。 去年は女性に動物実験代替協会への寄付を求められ、
いやいやながら 1 千ドルの小切手を渡したりしました。 シャンプーを取り上げ、
中をまじまじと見てみたら黄色だったので、
ファインゴールドは喜びました。 「これは一本いくらかかるんだ、ドク?」 「 50 セントというところですね。
けど、人工ホホバ油と人工カモミール油を使えば 、
40 セントまで下げられますね。
プロピレン・グリコールを入れれば、
やわらかい手触りになって髪もつるつるになります・・・・・。
そんなものは安いですよ。」 「 25 セントで作れればな・・・・・。」 ファインゴールドは文句を言いました。 「今どき 25 セントじゃ何もできませんよ。
化学薬品会社の億万長者どもめ。」 とドクはぶつぶつ言いました。 「石油化学物質でさえ高い。
インフレはもう終わったってみんな言ってるけど、
そんなことはない。
でもボス、言っときますが、
私はたぶん 35 セントで作ってみせますよ。」 「この男は天才だ。」 ファインゴールドはうなりました。 「みんなも彼から学べ。
お前たちは金をすべてきらびやかな包装や、
宣伝のブロンドにつぎこんでいるが、
ドクが私たちのために赤字を切り抜けてくれているんだぞ!」
みんなうなずきました。ドクはまた眠りに落ちてしまいました。 ★消費者を侮蔑しているような化粧品、実は多い? 以上の‘架空の幹部会議'を読まれて、
どのように感じられたでしょうか。
Aubrey Hampton は、
以前アメリカでおこった自然化粧品への回帰が、
売り上げの点で成功はしたが、
実は本来の自然化粧品なんかではなくて、
単に少量だけ自然のものを流し込んだだけの、
相変わらずの人工化粧品である事、
自然のものを何かで代用するなどという態度こそ、
消費者を侮蔑しているのだと言います。
自然のものだけで事足りるのであれば、
それがよいのでしょうが、
私自身、化粧品はすべて自然のものがよい、
と云う考えではありません。 ただ、自然のものとその人工的な代用品には、
大きな違いがあるにもかかわらず
(サプリメントにも同じ事が言えるのですが)、
しかも、当社の化粧品はすべて天然成分だと偽って、
実は人工代用品であったり、
消費者には判らないように、
合成界面活性剤がわんさか入っている化粧品は、
今の日本には溢れています。 美容外科医をしていて、
みなさんの一番の望み、それは‘肌をきれいにしたい'です。 きれいになろうと思って買った化粧品で、
肌がきたなくなる、このような不幸がないよう、
ちょっとでも役にたてるなら、と考えています。 |