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特集 話題の美容健康情報を検証する
 
第三回 コラーゲン
2006/1/31
 
★美容成分って何だ!?
 

細川:いよいよ、コラーゲンです。

西川:あの、コラーゲンやねー(笑)。

細川:そのコラーゲンです。“美容成分”として、世間では最も有名です。

西川:美容成分ねー。普段、何の疑問もなく使われている言葉なんやろうけど、美容成分というのは、医学的にも化学的にも意味不明な言葉なんやけどね。

細川:医学的、化学的には、美容成分という分類は存在しないと。

西川:存在しませんね。

細川:ということは、飲めばキレイになることをアピールするための宣伝用語ということですか?

西川:そうですね。飲めばキレイになると誤解させるような言葉が美容成分と理解すべきということかな。

細川:なるほど。言ってみれば、女性を惑わせる言葉ということですね(苦笑)。

西川そうなっているみたいやね。

細川:それでは、その辺りをじっくりと掘り下げていくことにしましょう。

 
★コラーゲンとは?
 
細川:そもそも、コラーゲンとは何なのですか?

西川:体内で合成されるたんぱく質の1つです。それも、体内で一番多いたんぱく質で、総タンパクのだいたい4分の1が、このコラーゲンと言われています。体のいろいろなところに存在する繊維状のタンパク質で、例えば、皮膚に40%、骨や軟骨に10〜20%、それから、血管壁や内膜に7〜8%といった分布やね。要するに、体を形成する組織の主成分で、多くの臓器や器官にも含まれます。

細川:なるほど。体のさまざまなところを形づくっている材料と理解すればよいのでしょうか?

西川:そういうことですね。

細川:ということは、一般的にサプリメントの成分にあるような栄養素とか、補酵素とは根本的に異なる成分なわけですね。

西川:その通りやね。
 
★コラーゲンを補えばよいのか?
 
細川:美容的な観点から言うと、皮膚のコラーゲンがちゃんと合成されることが大切だということでしょうか?

西川:確かに、ちゃんと合成されないとあかん。ただ、だからと言って、コラーゲンを増やせばいいという話しではないんですね。そうではなくて、合成と分解のバランスやね、大切なのは。皮膚に限らず、体のそれぞれの場所でおこっているコラーゲンの合成と分解のバランスが崩れることが老化現象の一つと言えるからね。

細川:なるほど。ただ、増やせばいいというものではないと。

西川:そう。もっと言うと、単なるコラーゲンだけを多く摂取することでマイナス面もいくつか考えられます。たとえば、動脈硬化を促進するリスクが大きくなるという医者もいるくらいですからね。

細川:そうなんですかー。
 
★そもそも飲んで補給できるものではない
 
西川:それに、そもそも、コラーゲンを飲んでも意味がありません。

細川:と言いますと?

西川:だいたい、コラーゲンを飲んでも、たんぱく質なわけやから、そのまま吸収されることは有り得ません。消化器官でアミノ酸に分解されてから吸収されるますからね。せやから、コラーゲンを飲んだり、食べたりすることは、単に、たんぱく質を摂取することにしかならへんのよ。

細川:へー。ただ、コラーゲンが分解されたアミノ酸は、体内で、コラーゲンを合成する材料になるということは?

西川:ほとんど、有り得ません。アミノ酸は、アミノ酸で、特別にコラーゲンを合成するためのアミノ酸なんて名札がついてる訳はないからね(笑)。

細川:因みに、ケンコーコムというサプリメント販売サイトで、コラーゲンを検索してみると、なんと!300件(1月29日現在)のコラーゲンのサプリメントが販売されています。

西川:どれも、これも、“美肌効果”をほのめかして(笑)販売しているようやね。

細川:そうですね、ほのめかしていますねー。

西川:でも、もうほとんどの商品のコラーゲンが、体内でコラーゲンになり得ないし、かつ、仮に、コラーゲンが、多少なりとも、合成出来たとしても、選択的に肌のコラーゲンになることはあり得ないですからね。

細川:世の女性は、もうちょっと、立ち止まって考えるべきでしょうね。
 
★栄養的な効果も期待薄!?
 
細川:ただ、百歩ゆずって(笑)、アミノ酸を摂取することは、多少なりとも、栄養的な効果が得られるということはないのですか?

西川:あればまだいいんやけどね。実は、コラーゲンを構成しているアミノ酸は、たんぱく質の中でも、ちょっと、特殊というか、変わっていてね。

細川:はい。

西川:多い順に言うと、グリシン35%、プロリン12%、アラニン11%、それと、珍しいのが、ヒドロキシプリンが9%というふうに、必須アミノ酸のトリプトファンは含まれていないし、メチオニンやヒスチジンといったアミノ酸もごく少量しか含まれていません。

細川:いわゆる“良質のたんぱく質”とは言えないと。

西川:必須アミノ酸が豊富なことが、良質のたんぱく質の定義であるとすると、コラーゲンは動物性たんぱく質にしては、例外的に良質のたんぱく質ではないんです。

細川:ということは、栄養的な価値もそれほどないと。

西川:そういうことです。コラーゲンを加熱したら、あの、ゼラチンになるわけで、ゼラチンと聞いて、どう思う?

細川:あんまり、ありがたみはないですねー(笑)。

西川:ところが、コラーゲンというと、女性は目の色が変わる(笑)。業界の宣伝の賜物ですなー(爆笑)。
 
★コラ−ゲン入り化粧品は?
 
細川:食べるコラーゲンは全く意味がないということですが、塗るコラーゲンは、どうなんでしょうか?コラーゲン入りの化粧品のことなんですが。

西川:化粧品の場合も、ちゃんと理解せなあかんのは、塗ったからと言って、コラーゲンが肌から吸収されて、美肌効果が得られることは、これもまた、絶体にあり得ないということです。

細川:コラーゲン化粧品よ、お前もか!(笑)ですかー。

西川:そもそも、コラーゲンは分子量が30万と大きなもので、肌から吸収されることは、絶対にありません。もしも、入ったら死に至ることになりかねません。

細川:え?・・・、塗るのも意味がないと?

西川:確かに、コラーゲンが増えることはないんやけど、保湿作用はあるんやね。帯電していて、水分子を引っ張るからね。

細川:保湿効果ですか。

西川:基礎化粧品の効果なんて、実際のところ、保湿だけやからね。

細川:はい。

N:保湿作用だけであれば、ワセリンを塗ればええねんけど。白色ワセリンがベストかな。ただ、これは、使うと誰でも解るけど、あまりにべた付きが強くて、化粧品としては、使えない。あと、植物性の油も、酸化が怖いしね。今迄、熱心に植物性の油を顔に塗ってきて、“油焼け”している患者さんなんか山ほど見てきてる。

細川:なるほど。

西川:そう考えると、このコラーゲンは、保湿剤としては、なんとか使えるね(でも、コラーゲンといってもいろいろありますが)。
 
★コラーゲンの美容効果は作り上げられたイメージにしか過ぎない
 
細川:だいたい、理解できました。結局、コラーゲンを飲んでも、塗っても、美容効果などないということですね。

西川:塗った場合の保湿効果以外には、美容効果など期待できません。

細川:なんとまあ、誰もが誤解し、思い込んでいますよね。

西川:そう。化粧品メーカーに言わせると、コラーゲンを美容成分として売り出したのは、材料が安易に得やすいこと、それと、なんと、コラーゲンという名前が覚えやすいからなんていう、馬鹿げた話を普通にしているのが現実やからね。

細川:・・・(唖然)。

西川:あとは、宣伝の力で、コラーゲンと聞くと、ありがたい美容成分のようなイメージを植え付けられたわけですね。
 
★賢い消費者になるためには
 
細川:それにしても、現代の消費者は、メーカーサイドから流される大量の情報に振り回されていますね。

西川:確かに。ただ、例えば、サプリメントや化粧品に関して言えば、高校レベルの生物化学の知識があれば、ほぼ、メーカー情報の嘘や粉飾は見抜けるはずです。

細川:なるほど。それくらいの情報武装は、これからは必須ということですね。

西川:そういうことやね。
 
■後書きとして
 
美肌効果、例えば、皮膚の修復作用が期待できるようなコラーゲン化合物も一部には出てきています。私も、それらの研究に一部加わっていますが、現実的には、ほぼ、全てと言っていいほど、コラーゲン商品は、上記のようにとらえて頂いて結構だと思います。(西川)
 
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