2008/3/18 火曜日

天然のトランス脂肪酸と人工のトランス脂肪酸

Filed under: 食生活 — info @ 14:35:00

トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やすことで動脈硬化になりやすくなったり、炎症体質にすることからアトピーなどのアレルギーの原因になると言われています。また、アメリカでは、取りすぎると認知症の発症率を高くするという論文も発表されているようです。何かと評判の悪い油ですが、日本では、まだまだ、それほど知られているわけではなさそうです。去年、ニューヨークのレストランでは使用禁止になったことで、少しは知られるようになったかもしれません。

通常は液体の植物油を加工食品やファーストフードなどに使いやすくするために、半固形にするために、人工的に水素を添加し、加工する際に発生する油なんだそうです。マーガリンはなぜ植物性脂肪なのに固まっているのかというと、このような加工が施されえているからなんですね。当然、トランス脂肪酸が含まれています。スナック菓子なんかに使われているショートニングもそうですし、ケーキやドーナツ類、フライドポテト等、ほとんどの加工食品やファーストフードがこの脂肪の恩恵を受けているといっても過言ではないでしょう。

さて、そのトランス脂肪酸ですが、そもそも、人間の手を加えてできる、自然界に存在しない油なわけですから、天然とか、人工とかいうのはおかしいのですが、工場でできる“人工の”トランス脂肪酸以外に、反すう動物といわれている牛や羊、ヤギの腸内でも細菌活動によってつくられるそうで、こちらは、“天然の”トランス脂肪酸と言えるわけです。そのため、天然のトランス脂肪酸は、肉や乳製品に含まれているそうです。

前置きが大変長くなりましたが、このトランス脂肪酸、人間の身体に悪さを働くのは、人工にトランス脂肪酸で、天然のトランス脂肪酸は無害であることが分かったというのです。American Journal of Clinical Nutrition という専門誌に発表されているのですが、カナダで、38人の男性に、1ヶ月間、天然のトランス脂肪酸と人工のトランス脂肪酸の比率を変えた食事をしてもらい、血中のコレステロールを調べたところ、人工のトランス脂肪酸をたくさん摂取した男性は悪玉コレステロールが増えたにもかかわらず、天然のトランス脂肪酸をたくさん摂取したグループは変わらなかったとのこと。

人間が手を加えると、一見、便利で、使い勝手がよくなったように見えて、結局が、ろくでもないことって、他にも、いろいろありそうです。同じトランス脂肪酸でも人工と、天然とでは、化学的な構造が異なるのだそうです。かのニューヨークでも天然のトランス脂肪酸は禁止されているわけではないそうです。もしも、禁止するとなったら、肉や牛乳、チーズが食べられなくなってしまうわけですから、ありえないことですが。

2008/1/21 月曜日

遺伝子操作とカロリー制限で酵母の寿命が10倍に

Filed under: 食生活, アンチエイジング — info @ 22:25:24

アメリカの南カリフォルニア大学の研究チームは、遺伝子操作によって、老化に関係するとされている遺伝子を欠いた酵母菌にカロリーを制限したところ、寿命を10倍に伸ばすことに成功したと報告しています。

この方法を人間にも同じように使えるわけではないとのことですが、寿命を10倍も伸ばすことが出来たのは、カロリー制限により生成される酵素が細胞内でエネルギーを産生するミトコンドリアに働きかけていると考えられているようです。

[コメント]
アンチエイジング、すなわち、健康で長生きするために、いろいろな方法が紹介されてはいますが、唯一、その効果がきちんと確かめられているのは、なんと、カロリー制限だけなんですね。腹八分目ならぬ、腹七分目くらいがよいそうです。カロリー制限と聞くと、食事制限的なイメージをもってしまいがちですが、特に、何を食べてはいけないということではなく、何でもバランスよく、ただし、量を少なく食べることのようです。

生き物というのは、限られたエネルギーしかないとなると、それに合わせた省エネ運転になるようで、そのことが結果として、有害な活性酸素の発生量も少なくなって、長持ちするようになるのでしょうか。

 

 

2008/1/19 土曜日

健康長寿は当たり前な日常生活の積み重ねの結果

Filed under: 食生活, 生活習慣, アンチエイジング — info @ 11:12:48

運動し、お酒は飲み過ぎず、日頃からたくさんの果物や野菜を食べて、タバコを吸わない人は、寿命にして14年の長生き効果があると、イギリスのケンブリッジ大学と Medical Research Councilの研究チームによる調査で明らかになったと、BBCが報道しています。

45~79歳の20,000人を10年以上に渡って追跡調査した結果、寿命を左右する生活習慣のポイントとして、タバコを吸わないこと、週に1~14ユニットのお酒を飲むこと(グラスにして半分から7杯のワインと同等)、1日に野菜や果物を5皿食べること、そして、よく身体を動かすことを挙げています。

最後のよく身体を動かすというのは、もしも、あまり身体を動かさない仕事に従事している人であれば、1日に30分程度の運動をするということです。

そして、これら4つが習慣化している60歳は、習慣化していない74歳と平均余命が同じレベルであったと報告しています。

また、社会的な地位や体格指数(BMI)は、寿命への影響は確認できなかったとしています。

日頃、何をどう食べて、どんなふうに過ごすかが、大切であることは、誰もが知っていることなのでしょうが、このような調査結果を数値で示されると、とてもインパクトを感じます。

実際のところ、健康で長生きするということは、このような日常の積み重ねの結果であることがよく分かります。アンチエイジングとは、決して、お金がかかるものでもなく、偉い先生におまかせすることでもなく、当たり前なことを、当たり前に出来るか、なんですね。

ということは、さして変わり映えのしない日常生活をいかに楽しめるかであるのかもしれません。現代社会では、そんなふうに過ごすには、ちょっとした才能が必要なのかもしれません。

2007/12/4 火曜日

はちみつは子どもの咳をやわらげる

Filed under: 食生活 — info @ 15:05:51

■the Archives of Pediatrics  & Adolescent

寝る前のハチミツは子どもの咳を緩和させることが、アメリカのペンシルバニア州立大学の研究で明らかになりました。

風邪で咳がでてる130人の2~18歳(平均5歳)の子どもに、寝る前にせき止めのために3つの方法を試してもらい、その効き目を比較しました。3つの方法とは、せき止め薬(デキストロメトロファン)とそばはちみつ、そして、偽薬です。その結果、そばはちみつが最もせきの緩和に効果的であったことが分かりました。

研究者は、そばはちみつに含まれる抗酸化や抗菌の働きのある物質の働きではないかとしています。

[コメント]

はちみつがせき止めになるとは、あまり知られていないように思うのですが。大人には効かないのでしょうか、気になるところです。あと、この試験はアメリカ蜂蜜協会が資金提供しているようです。そのことを踏まえて、受け止める必要もありそうです。また、そばはちみつというのは、そばの花から採れるはちみつのことで、黒いそうです。

2007/11/26 月曜日

魚を食べることは老人の脳の働きをよくする

Filed under: 食生活, 脳の健康 — info @ 12:53:17

■American Journal of Clinical Nutrition

老人は魚を食べれば食べるほど(1日80グラムまで)、記憶力や視覚的な視覚的な認識力、空間認知力、注意力、適応力、語彙流暢力において、優れることが、イギリスのオックスフォード大学の実験によって確かめられました。

A. David Smith博士らは、北ノルウェイに住む70~74歳の男女、2,031人を対象に、認知能力と魚や魚貝類の食べる量との関連性を調べました。

その結果、6つのテスト全てにおいて、魚をたくさん食べる人ほど、よい成績であったことが分かりました。

[コメント]

魚油に豊富なオメガ3脂肪酸は脳の働きによい影響を及ぼすことは、これまでのさまざまな調査研究から明らかになっています。

2007/11/14 水曜日

頭がボケない食生活とは?

Filed under: 食生活, 脳の健康 — info @ 15:08:26

■Neurology

週に1回は魚を食べること、毎日、果物や野菜を食べること、そして、脂肪の摂取バランスに気をつけることで、アルツハイマー病にかかるリスクが低下することが、フランスの国立衛生医学研究所の調査で明らかになりました。

フランスの3つの都市に住む65歳以上に8085人を対象に、食生活と痴呆症やアルツハイマーの発症リスクとの関係を調べました。調査のスタート時に被験者に痴呆症やアルツハイマーにかかっている人がいないことを確認し、毎日、何を食べたかを記録しました。4年後に281名が痴呆症やアルツハイマーにかかりました。

その結果、痴呆症にかかる割合は、毎日、野菜や果物を食べる人はそうでない人に比べて28%低く、魚を食べる人はそうでない人に比べて40%低いことが分かりました。また、オメガ6脂肪酸だけでなく、オメガ3脂肪酸を摂取している人は、オメガ6脂肪酸しか摂取しない人に比べて、発症しにくいことも明らかになりました。

[コメント]

脳の健康には、日々の食生活のパターンの影響が大きいようです。野菜や果物を豊富に食べることは、さまざまな抗酸化物質が摂取できること、そして、魚や脂肪酸の摂取については、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランスが重要だということでしょうか。

2007/11/9 金曜日

アスリートでさえサプリメントについて混乱している

Filed under: 食生活, サプリメント・栄養成分 — info @ 14:02:38

■Nutrition Journal

身体のコンディションづくりについての知識や方法を身につけているはずのアスリート(運動選手)でさえ、サプリメントを摂取することで起こりえるさまざまな可能性や副作用についての認識なしに利用していることが多いと、イギリスの調査で明らかになりました。

ロンドンのthe School of Life Science at Kingston Universityの研究チームは、874人の30種類以上の競技を代表する優れたスポーツ選手への調査、UK Sports 2005 Drug Free Surveyのサプリメント摂取に関するデータを再分析しました。

それによりますと、3分の5の調査対象のアスリートがサプリメントを使用しているものの、摂取しているサプリメントの働きと摂取目的が一致していませんでした。そして、医師のアドバイスのもとで摂取している人は少数でした。

[コメント]

成績の優秀なスポーツ選手ほど、科学的な発想で、サプリメントを活用しているイメージがありますが、案外、いい加減なようです。それほどに、食品といえども、正しい知識で、正しく使うことが簡単ではないが、大切だということでしょうか。

2007/11/8 木曜日

健康に寄与するのは“栄養素”ではなくて、“食べ物”

Filed under: 食生活, サプリメント・栄養成分 — info @ 11:58:00

■Academic Health Center at the University of Minnesota

アメリカのミネソタ大学のDavid Jacob教授は、Journal of Nutrition Reviewsのレビューで、健康に寄与するのは、栄養素ではなくて、食べ物であると発表しました。

この見解は食品業界や政府の主流の考え方、例えば、食べ物中の脂肪や炭水化物、たんぱく質、そして、特定のビタミンに注目して、食べ物にそられを添加したり、取り除いたりするというような商品開発や食品規制の背景となる考え方とは相容れないものです。

教授は、「栄養素にのみスポットをあてることで、私たちはとても混乱している、食べ物全体をみるべきである」として、「この風潮は、食事と健康の関係を特定の栄養素のみで考えてしまうという誤りを犯してしまう」と指摘しています。

レビューでは、単体の栄養成分の働きではなく、食べ物に含まれる複数の成分の相乗作用に注目するべきで、単体の栄養成分だけを摂取しても健康に寄与するという証拠はないとしています。

[コメント]

さまざまなビタミンやミネラル、そのほかの栄養成分の働きは、全て、周囲の影響から完璧に遮断された環境(試験管内の人為的な環境)における検証結果にしか過ぎないこと、そして、体内では、そのような特異な環境は存在せず、全ては、複数の物質の相乗作用、連鎖反応が、常に、起こっていることを理解する必要があるのでしょう。

そのため、そのような限定的な働きを期待して、単体の栄養成分を摂取し続けることは、体内の栄養バランスを崩してしまうことになりかねず、結果として、身体にマイナスの作用になってしまうおそれがあることは、これまでの多くの研究報告が証明しているところです。

そういう意味では、食べ物に含まれる栄養成分の自然の配合バランスが、人間にとってベストな滋養源であることはまったく疑う余地がありません。

ところが、現在の食品業界の食品開発は、全くこのことを無視したものでしかありません。その結果、体にプラスとされている成分を添加したり、身体にマイナスと思われている成分を除去した加工食品が氾濫しています。そして、憂うべきは、厚生労働省自ら、トクホという制度で、そのことを助長していることです。

業界や行政機関が考えるところの“付加価値”とやらは、決して、消費者のために付加された価値ではなく、そのことで、業界が潤うために付加された、業界のための価値でしかないといわざるを得ません。

“栄養素”ではなく、“食べ物”です。

食べるべきは、栄養成分量を人為的にコントロールされた加工食品やトクホ製品ではなく、自然なままの食べ物であり、特定の栄養成分だけを抽出したサプリメントではなく、食べ物の形態のサプリメントであるとの私たちの従来からの考え方が、学術的に指示されたものと自負しております。

2007/11/5 月曜日

ガンを予防する食とライフスタイルの10カ条

Filed under: 食生活, 病気, ガン, 生活習慣 — info @ 18:19:42

■American Institute for Cancer Reserch

世界がん研究財団(WCRF:the World Cancer Resrch Fund)とアメリカがん研究協会(AICR:American Institute for Canser Resrch)は、がんにかかりにくくする食生活や生活習慣についての10個の項目を発表しました。

この報告は、9つの大学の研究チームによって、これまで発表されている50万件の研究報告から、22,000件に選別し、さらに厳格な基準で7,000件に絞り、これまでで最も広範に研究報告を分析して、がん予防のための食生活と生活習慣をまとめました。

1)適正な体重を維持すること。
2)毎日、最低30分は運動すること。
3)砂糖入り飲料は飲まない、そして、高カロリー食品(砂糖が多く、繊維が少ない加工食品や高脂肪食品)はほどほどに。
4)いろいろな種類の野菜や果物、全粒穀物、そして、豆類をたくさん食べること。
5)赤身の肉(ビーフやポーク、ラム)はほどほどに、加工肉は食べない。
6)もしも飲酒するのであれば、男性は1日2杯、女性は1日1杯までにすること。
7)塩分は控え目に摂取すること。
8)がん予防のためのサプリメントは利用しない。
9)6ヶ月までは赤ちゃんを母乳だけで育てること。
10)がんを治療した後は、がん予防のアドバイスに従うこと。

そして、タバコは吸わないこと。

[コメント]

答えは出されているということですね。後は、自分が、やるか、やらないかという問題だけです。

結局のところ、出来るだけ自然に近い食品を、バランスよく、そして、自分で調理して、食べること。そして、1日30分は身体を動かすこと。酒はほどほど、タバコは吸わないということ、それと、サプリメントに頼ってはいけないということでしょうか。

2007/11/1 木曜日

イギリス研究団体が小麦粉やパンへの葉酸添加義務化に対して警告

Filed under: 食生活, サプリメント・栄養成分 — info @ 12:47:28

■British Journal of Nutrition

イギリスの研究団体IFR(Institute of Food Reserch)は、食品基準庁(FSA)が、若い女性の葉酸摂取のために、小麦粉に葉酸を添加することを国が義務づけようとしていることに対して、その安全性が確立されていないとの警告を発し、最終決定の前に専門家による再検討を求めました。これに対して、FSAは小麦粉やパンへの葉酸の添加の安全性については、既に査定済みで、安全であるとしています。

そもそも、なぜ、小麦粉やパンに葉酸の添加を義務づけようとしているのでしょうか。それは、妊娠前の女性が葉酸を1日400μg以上摂取することで、胎児の脊椎二分症等の先天性異常の発症が大幅に減らすことできることがわかっているにもかかわらず、若い女性の葉酸摂取がなかなか進まないという事情があったからです。また、葉酸添加の義務化を先行して実施しているアメリカやカナダ、チリでは、その後、胎児の先天性異常が半分以下に減少したという実績もあります。

ところが、最終決定の前に、IFRは、葉酸の添加を義務化することで、肝臓の代謝能力以上の葉酸を摂取することになり、代謝されない葉酸が血中に増加することで、さまざまな悪影響を及ぼすことを懸念しています。それは、葉酸が腸管で分解され、かつ、肝臓でも代謝されることが明らかになったからで、アメリカやカナダの事例が示すように、葉酸を添加することで、先天性異常の新生児が減少することは証明されているものの、イギリスでは添加量は半分にすべきだとしています。

IFRは、代謝されない葉酸が体内で増えることで、ビタミンB12の量が少ない高齢者の認知力が低下したり、閉経後の女性の乳がんの発症リスクが高まること、また、食品から摂取した葉酸は、ガンの予防になるのですが、添加物として葉酸を摂取すると、腸管がんのリスクが高まると指摘しています。そして、葉酸添加を義務づけることのリスクは約20年後に明らかになる危険性があると警告しています。

[コメント]

葉酸が胎児の一部の先天性異常を予防するからといって、主食に予め、葉酸を添加して、国民に強制的に葉酸を摂取させようとするアメリカやカナダの発想と実行力には恐れ入ります。国民に葉酸のサプリメントを強制的に飲ませるようなものですからね。そして、そのことで、その後の先天性異常が劇的に減ったわけですから、おそらく、政府の担当部署は鼻高々ではないでしょうか。

ところが、やはり、本来は食べ物から摂取する栄養素を、単体で摂取し続けることで、1つのメリットを得たとしても、同時に、別のデメリットを招いてしまう危険性をも孕んでいるようです。サプリメントの摂取についても同様のことが言えるはずです。そして、この手の問題は、現時点では、何も明確な答えを出すことは出来ないところが最も悩ましいところで、結局は、ぼんやりとしたリスクよりも、明らかになっているメリットを優先させるしかないようで、おそらく、イギリスでは、今回の警告によって、葉酸添加の義務化が取りやめになることはないのでしょう。

それにしても、本当の答えは、20年後に出るというのは、全国民を被験者にした壮大な人体実験が始まるということなのかもしれません。

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