■British Journal of Nutrition 2007,97:639-643
水溶性の抗酸化ビタミンの代表とされているビタミンCですが、その抗酸化能力は、果物を食べて摂取しけなければ、ビタミンC単体で摂取しても発揮されないことがイタリアで実施された実験によって明らかになりました。
イタリアのミラノ大学の研究チームは、7人の被験者に、赤い果肉のオレンジジュース(ビタミンC150mg)300mlと同量のビタミンC水溶液、砂糖水の3種類の飲み物をそれぞれアトランダムに2週間おきに飲んでもらい、飲んだ後と3時間後、24時間後に血液を採取ました。
オレンジジュースを飲んだ後も、ビタミンC水溶液を飲んだ後もビタミンCの血中濃度の上昇が確認されたのですが、活性酸素の一種である過酸化水素を採取した血液に暴露させたところ、過酸化水素による細胞の損傷がオレンジジュースを飲んだ後では少なく、抗酸化作用が確認されましたが、ビタミンC水溶液を飲んだ後では、砂糖水を飲んだ後と同様に、損傷がより大きく、細胞の保護効果が確認されませんでした。
研究に携わった研究者は、ビタミンCの抗酸化作用は、ビタミンC単体では働かず、フラボノイドやカロテノイドなど、果物や野菜にビタミンCと有機的に結びついた成分との協働して初めて発揮されるのではないかとしています。
【コメント】
大変、ショッキングな内容ですが、これまでもビタミンC単体とバイオフラボノイド等と有機的に結合した複合ビタミンCとの体内有効活用度(バイオアベイラビリティ)の違いはさまざまな研究で明らかにされていました。
要するに、ビタミンC単体(アスコルビン酸)は、体内では食べ物ではなく、異物として認識されますから、胃の消化物と生化学反応を起こして複合ビタミンCの安定した状態になって初めて食べ物としての吸収されるようになります。ところが、そうなる前に異物ですから、身体はすぐに排泄しようとしますから、とにかくビタミンC単体を摂取するのは効率が悪いわけです。
そもそも、ビタミンCの発見者で、ビタミンCの分離抽出でノーベル賞を受賞した生化学者、アルベルト・セント・ジョルジ博士は、もちろん、ビタミンCだけを抽出して摂取してもそれほど役に立たないことを知っていました。ですから果物や野菜を食べて摂取しなければならないと、訴えていましたが、安価にビタミンCを合成することに成功して、華々しく商品化し、ビタミンC剤を拡販しようと躍起になっていた業界に、そんな“本当のこと”はいつの間にか、かき消されてしまったのです。
現代のようなストレスの多い社会、添加物まみれの食品を食べざるを得ない社会では、以前よりもビタミンCの重要性が高まっていることは間違いありません。だからこそ、本当に有効なとりかたが求められています。
現在、流通している安価な合成ビタミンCは摂取する価値はほとんど認められません。果物や野菜をしっかり食べること、そして、サプリメントを摂取するのであれば、果物や野菜の中に存在する形態、すなわち、アミノ酸やフラボノイド等と有機的に結合した複合ビタミンCの製品を選択すべきです。