■the Journal of the National Cancer Institute 2007;99:742-743
マルチビタミンの過剰な摂取は前立腺ガンのリスクを高めることがアメリカの国立ガン研究所の調査で明らかになりました。マルチビタミンの摂取と前立腺ガンリスクとの関係を調査するため、295,344人を5年間追跡調査したところ10,241人の男性が前立腺ガンと診断されました。8,765人は局部性で、1,476人は進行性でした。
マルチビタミンの摂取と局部性の前立腺ガンとの関連はみられませんでしたが、推奨摂取量を超える過剰な量のマルチビタミンを毎日摂取していた男性では進行性の前立腺ガンにかかるリスクが摂取していなかった男性に比べて約30%高いことが判明しました。
[コメント]
マルチビタミンに含まれるどの成分が原因で前立腺ガンのリスクが高くなったのかは不明であるとしています。健康によかれと思い、毎日、せっせとビタミン剤をたくさん摂取していたわけですから、大変ショッキングな試験結果ではあります。ただし、これまでも、βカロチンの摂取が喫煙男性が肺ガンにかかるリスクを高めるといった調査の結果はいくつも報告されています。
このことは何を意味するのでしょうか?
たとえ、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素に体に有用な働きが確認されたとしても、それらの栄養素のみを合成したり、食べ物から取り出して、飲み続けることは、必ずしも、体にプラスに働くばかりではないということです。
要するに、ビタミンやミネラルなどの栄養素も、単体を大量の摂取することは体に害を与えることがあるわけです。そもそも、人間が誕生してこのかた、ビタミンやミネラルは野菜や果物、穀物等の食べ物から摂取してきたわけで、ビタミンやミネラルだけを取り出して、毎日、大量に摂取することはなかったことです。ですから、体はそのように栄養素を摂り入れるようには出来ていないのかもしれません。
このことは、サプリメントの利用の仕方の大きな意味をもちます。安価な抽出ビタミンのサプリメントは摂取すべきではありません。