■Academic Health Center at the University of Minnesota
アメリカのミネソタ大学のDavid Jacob教授は、Journal of Nutrition Reviewsのレビューで、健康に寄与するのは、栄養素ではなくて、食べ物であると発表しました。
この見解は食品業界や政府の主流の考え方、例えば、食べ物中の脂肪や炭水化物、たんぱく質、そして、特定のビタミンに注目して、食べ物にそられを添加したり、取り除いたりするというような商品開発や食品規制の背景となる考え方とは相容れないものです。
教授は、「栄養素にのみスポットをあてることで、私たちはとても混乱している、食べ物全体をみるべきである」として、「この風潮は、食事と健康の関係を特定の栄養素のみで考えてしまうという誤りを犯してしまう」と指摘しています。
レビューでは、単体の栄養成分の働きではなく、食べ物に含まれる複数の成分の相乗作用に注目するべきで、単体の栄養成分だけを摂取しても健康に寄与するという証拠はないとしています。
[コメント]
さまざまなビタミンやミネラル、そのほかの栄養成分の働きは、全て、周囲の影響から完璧に遮断された環境(試験管内の人為的な環境)における検証結果にしか過ぎないこと、そして、体内では、そのような特異な環境は存在せず、全ては、複数の物質の相乗作用、連鎖反応が、常に、起こっていることを理解する必要があるのでしょう。
そのため、そのような限定的な働きを期待して、単体の栄養成分を摂取し続けることは、体内の栄養バランスを崩してしまうことになりかねず、結果として、身体にマイナスの作用になってしまうおそれがあることは、これまでの多くの研究報告が証明しているところです。
そういう意味では、食べ物に含まれる栄養成分の自然の配合バランスが、人間にとってベストな滋養源であることはまったく疑う余地がありません。
ところが、現在の食品業界の食品開発は、全くこのことを無視したものでしかありません。その結果、体にプラスとされている成分を添加したり、身体にマイナスと思われている成分を除去した加工食品が氾濫しています。そして、憂うべきは、厚生労働省自ら、トクホという制度で、そのことを助長していることです。
業界や行政機関が考えるところの“付加価値”とやらは、決して、消費者のために付加された価値ではなく、そのことで、業界が潤うために付加された、業界のための価値でしかないといわざるを得ません。
“栄養素”ではなく、“食べ物”です。
食べるべきは、栄養成分量を人為的にコントロールされた加工食品やトクホ製品ではなく、自然なままの食べ物であり、特定の栄養成分だけを抽出したサプリメントではなく、食べ物の形態のサプリメントであるとの私たちの従来からの考え方が、学術的に指示されたものと自負しております。