★良きにつけ、悪しきにつけ、ポーリング博士の影響は大
西川:結局、ポーリング博士は、生化学者としては、とてつもなく素晴らしい実績を残されていますが、臨床家ではなかったということかもしれません。
細川:なるほど。それは、試験管の中で起こることを、そのまま、人間の身体の中に持ち込めないということですね?
西川:その通り!おそらく、ポーリング博士ほどの科学者ですから、論理的には筋が通っていることを主張されてたと思います。ただ、人間の身体のメカニズムは、もっと複雑、かつ、曖昧で、個人差が大きいということかもしれませんね。
細川:実際に、朝日新聞社から出版されている「ポーリングの生涯」という本を読むと、その通りのようで、ビタミンCのことになると博士は、臨床デ−タ等も、自分の考えに合うところばかりを採用し、都合の悪いデータや証拠は無視していたようですね。そのことから、時の医学界からは、異端扱いされていたことが、はっきりと書かれています。
西川:結局、ビタミンCは、博士が言うほどは、万能薬ではないということでしょう。ただ、そのように、博士の晩年のビタミンC研究は、さまざまな批判があるようですが、繰り返しになりますが、一般の人にビタミン摂取によるセルフケアというか、医者に頼らずに自分の健康を守るいう意識を芽生えさせたことは、大変な功績のようにも思えます。彼くらいの“ビッグネーム”の学者だったからこそ、あそこまでの影響力を発揮できたのでしょうし。
細川:なるほど。肝心のビタミンCについては、どう考えるべきでしょうか?
西川:まずは、ビタミンC自体は、よく、車のエンジンオイルに例えられるように、体内のさまざな化学反応の際に必要な補酵素ですから、コラーゲンの生成をはじめ、働きを挙げていけばキリがありません。代表的な抗酸化ビタミンでもありますから、最も重要なビタミンと言ってよいと思います。
細川:何はともあれ、ビタミンCというゆえんですね。
西川:はい。そして、体内で生成されませんし、水溶性で、比較的すみやかに体外に排泄されますから、成人の所要量とされている100mgを超えて、摂取するに越したことはないでしょうね。ただし、ビタミンCさえ摂取すれば、ガンをはじめ、いろいろな病気にかからないというのは、偏った考えで、ビタミンC信仰になってしまいます。病気にかかるということは、決して、1つのビタミンの多い少ないだけで決まるものではないことは、冷静に考えれば、誰だって理解できることでしょう?
細川:分かります。
西川:まずは、万遍なく食べるという、これも当たり前な原則を踏まえた上で、ビタミンCを摂取することは、悪くないことです。
細川:現代では、野菜や果物に含まれるビタミンやミネラルが減っていると言われて久しいですから、サプリメントとして摂取するに越したことはないということですね。
西川:そうです。美容面でも、健康面でも、です。
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