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★分りづらい大豆イソフラボンの安全性評価

細川:食品安全委員会の大豆イソフラボンの安全評価が
まとまったようです。

なんで、今頃、大豆イソフラボンの安全評価なの?

細川:トクホです。大豆イソフラボンを添加した食品のトクホ
への認可申請があったことから、厚生労労働省は、内閣府
の食品安全委員会に、大豆イソフラボンの安全性評価を依頼したからです。

西川:新聞報道では、大豆イソフラボンの1日摂取量の上限を70〜75mg、食事以外に追加摂取する量の上限を1日30mgとしたとあります。

あと、妊婦や子供には、日常の食事以外の上乗せして、大豆イソフラボンを摂取することは推奨しないと。

ただ、通常の食品から摂取の場合、上限値が短期的に超えても、直ちに健康被害に結びつくものではないとも言っている。

これ、なんのこっちゃという感じやね(笑)?

細川:分りにくいですね。

西川:なんか、苦し紛れの結論っていう感じもしなくもない。

細川:まあ、食品に含まれる1つの成分の安全な摂取量の上限を、公的な機関が設定するわけですから、相当、慎重にならざるを得ないんでしょうね。

そういう意味では、少な目に見積もっておくに越したことはありません。

ただ、少なくすればしたで、今度は、摂取すると危険な成分であるかのような印象を、持たれてしまいかねないので、本当に難しいところだと思います。

 

★安全評価決定の経緯とは?

西川:いったい、何を基準に算出したのかな?

細川:まずは、1日摂取量の上限の70〜75mgですが、これは、イタリアの研究で、 閉経後の女性が、大豆イソフラボンを、1日に150mgを5年間、摂取し続けたところ、子宮内膜増殖症の発症が確認されたというのがあって、この1日150mgをヒトにおける健康被害が出ることが、懸念される量と考えたとしています。

そして、個人差等を勘案し、その半分の量の75mgを安全な摂取量の上限に設定したようです。

西川:1つの試験結果だけで?

細川:そのようですね。

西川:それに、閉経後の女性の子宮内膜が増殖したことが、健康被害と言えるんかい?

細川:まあ、何らかの影響が出たというところでしょうか?

ただ、少なくとも、この試験を実施した研究者たちは、被害とは認識していなかったようです。

大豆イソフラボンの更年期の女性へのエストロゲン補充効果と認識しています。

西川:よく分る。

まあ、 そのような試験結果を、安全な摂取量の上限の基準せざるを得ないところに、苦労が垣間見れるとしときましょか(笑)。

 

★大豆イソフラボンについて知っておくべきこと

細川:
さらに、摂取量について、知っておかないといけない大前提があります。

西川:大豆イソフラボンは、なかなか、一筋縄ではいかない成分みたいやね(笑い)。

細川:全くその通りですね。

何かと言いますと、 これらの量は、全て、大豆イソフラボンは、大豆イソフラボンでも、“ アグリコン型"と呼ばれる種類の大豆イソフラボンとしての量でだということです。

そもそも、大豆イソフラボンには、3種類の配糖体、ゲニスチン、ダイジン、グリシチンと、3種類の非配糖体、ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインがあって、アグリコン型というのは、非配糖体のことです。

配糖体というのは、糖と結合した構造であるという意味なのですが、ほとんどの大豆食品中には、この配糖体で存在しているのです。

西川:アグリコン型というのは、ほとんどの大豆食品に含まれる配糖体型の大豆イソフラボンから、糖がはずれた構造ですから、配糖体よりも量が少なくなるということでしょう?

細川:そうなんです。

西川:ということは、今回の上限値は全てアグリコン型で算出しているとたら、それを前提で摂取量を考えないと、判断を間違えてしまいますね。

細川:はい。

で、もっと大切なのは、配糖体のままでは、消化器官で吸収されないということです。

腸内細菌作用によって、分解され、糖がはずれ、非配糖体、要するに、アグリコン型になって、初めて吸収されるのです。

それで、、体内でエストロゲン受容体と結合できるのも、この非配糖体です。

西川:食品安全委員会の報告によれば、配糖体と非配糖体(アグリコン型)の分子量の比率が、1000:625であることから、配糖体×0.625で算出しているようです。

細川:これも、大変、大雑把と言えば、大雑把なんです。

大豆食品を食べると、腸内で、配糖体はアグリコン型の分解されるのですが、それは、腸内細菌の作用によるもので、この腸内細菌の量には、かなり個人差があって、腸内細菌の量が少ない人は、アグリコン型への分解能力が低いのです。

西川:ということは、吸収される大豆イソフラボンの量には、かなり、個人差があって、必ずしも、食品中に含まれる配糖体に0.625をかけた量とは、限らないということですね?

細川:そうですね。

西川:ということは、安全委員会が用いた換算法は、机上の理論というわけだ。知れば、知るほど、苦肉の策であったことが見えてくるね(苦笑)。

 

★植物性ホルモンの量と作用の関係の予測の難しさ

西川:
さらに、体内での作用の仕方を考えると、植物性ホルモンと言えども、ホルモン受容体に結合して作用を発揮するわけで、この作用の仕方がくせ者でもあります。本物のホルモンの分泌量いかんでは、全く働きが逆になってしまいますからね。

細川:ややこしいですね。

西川:例えば、生殖年齢にある女性で、卵胞期のように、大量のエエストロゲンが分泌されるタイミングで、本来、本物のホルモンが結合するところに、植物性ホルモンが結合してしまうと、ホルモンの作用は、大変弱いものになってしまい、生殖機能に支障が出てしまうリスクが高くなったりします。

細川:実際に、大豆イソフラボンは、身体に有効に作用したとする論文もあれば、反対に、有害に作用したと報告する論文もあったりします。

西川:その通りです。ホルモン関係は、 使い方が大変難しいのです。

 

★結局、大豆食品を食べればよい

細川:大豆イソフラボンといえども、侮るべからず、ですか?

西川:なめてかかるといけません。

ですかから、 ややこしいことはせずに、やっぱり、大豆食品を食べることに尽きます!わざわざ、大豆イソフラボンを抽出したものを摂取する必然性が、見当たりません。食品を食べることの利点はいくらでもあります。

まずは、腸内細菌の分解能力によって、大豆イソフラボンの吸収量に違いが出るのですが、これは、おそらく、吸収量の調整作用であると考えられます。

ところが、アグリコン型の大豆イソフラボンのサプリメントやトクホを摂取することは、この調整作用なしに、どんどん大豆イソフラボンを体内に入れることになるわけです。

細川:このことは、食品安全委員会も認めています。

サイトで、その本音を表明していますよ!そのまま、以下に抜粋します。

『健康のためには、特定の成分のみを摂取することよりも、バランスの良い食事を摂ることが重要です。大豆イソフラボンのみをサプリメントとして摂取するよりも、大豆食品を摂取した方が理想的な食生活に近づきます。日常の食生活では、大豆イソフラボンの含有量ではなく、各栄養素のバランスに配慮して下さい。』

どうですか?

西川:完璧なアドバイスです!!まさに、消費者のことを真に考えた助言だと言えます。

細川:これは、暗に、トクホを否定していますね!

西川:まあ、専門家としての良心とさせてもらいましょうか。本当に、トクホの安全性評価は、苦肉の策なはずですな・・・(納得)

 
 
 
 
   

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