心斎橋中央クリニック 西川 浩院長が本音で語る“美と健康”
 
 
 
HOME 》 NEWS&COMMENT 》 07/01/18
 
 
2007/1/18
 

健康な成人への成長ホルモン補充にアンチエイジング効果は認められない

 
■Annals of Internal Medicine

 

スタンフォード大学の研究チームは、
健康な成人が、成長ホルモンを補充することによって、
運動習慣以上のアンチエイニング効果が得られるという証拠はないと発表しました。

 

研究チームのリーダーは、成長ホルモン補充が長生きさせるという証拠はないだけでなく、
間接肥大や手根管症候群、糖尿病等の副作用のリスクを引き起こすと指摘しています。

研究チームは、多少肥満気味であること以外は健康な成人を対象にした31の研究論文を調べたところ、
成長ホルモンを補充することによって、
筋肉を2kg以上増やし、体脂肪を同じくらい減らす効果があることを確認しました。

ところが、骨密度やコレステロールレベル、酸素消費レベルは影響を及ぼすことはなく、
成長ホルモンによる健康増進効果は認められなかったとしています。

イギリス内分泌学会の会長でオックスフォード大学の教授は、
健康な成人が成長ホルモンを補充するのは勧められないと指摘しています。

また、アメリカの専門家は、成長ホルモンは筋肉増強や体脂肪の低減には効果的であるが、
必ずしも、精神的に安定したり、老化を遅らせたり、身体機能が向上するようなことはないとして、
衰弱して集中治療が必要な患者に投与したところ、
死亡率が2倍になったとして、
成長ホルモンの補充はもしろ、危険なことであるとしています。

 
【コメント】

成長ホルモンは幼児期に大量に分泌され、身体の成長を助けますが、
成人後も、身体のさまざまな機能の維持や促進に深くかかわっています。

30歳を過ぎる頃から分泌量が低下しはじめることから、
年をとったり、老化に伴う、さまざまな身体の機能の低下は、
成長ホルモンの分泌低下が原因の1つであると考えられていることから、
アメリカのアンチエイジングの分野では、
人工の成長ホルモンを補充する療法が盛んで、
日本でも多くのアンチエイジングクリニックで実際されているようです。

今回の研究報告は、
結局、人体内で分泌されているホルモンは、
年をとって、分泌量が減ってきたからといって、
安易に、人工のホルモンを補充しても、期待するほどの効果はないどころか、
マイナスの副作用のリスクが高まるというものでした。

更年期対策のエストロゲン補充療法もそうですが、
とにかく、減ってきたら、外から増やせばいいなんていう単純なものではないようです。

それよりも、たとえば、運動すること、特に、筋力トレーニングは成長ホルモンの分泌を促進させ、
逆に、運動不足やストレス、睡眠不足、砂糖の過剰摂取、合成エストロゲンの服用は、
成長ホルモンの分泌を抑制すると言われています。

身体の成長ホルモン分泌活動が活発になるような生活をすることこそ大切ではないでしょうか。