前回は、代表的なシミ、 老人性色素班 の治療法について話しましたが、このタイプのシミにも実は幾つかのタイプがあるのですが、また、治療法としても、漂白作用のある薬剤やビタミン A 誘導体を使用したり、コウジ酸を塗布したり、電気的に焼いたり、物理的に削ったり、などなど方法はありますが、レーザー治療に優るものはないので、省略しました。
それでは、他のシミの治療法を考えていきます。
まず、ソバカス( 雀卵班 )ですが、ほとんどのものが遺伝(優性遺伝)によるので、出る方は出るし、出ない方は出ません。紫外線の影響を強く受けるため、夏は濃く、冬は薄くなります。その意味では紫外線対策は重要ですが、治療となると、前回話しました、 Q 発振の色素レーザーによく反応し、治療成績も抜群です。その他、光治療器(よく聞くフォトフェイシャル、フォト何々と言った機械ですが)も有効ですが、ただソバカスだけをターゲットにした治療としては少し意味合いは異なります。
ソバカスのある方は、総じて色白の方なので、診療上、色の白い証拠じゃない、と言ってあんまり気にしないのが一番だなどとしょっちゅう言っていますが。
次は 肝班 ですが、これは、 30 代から 40 代の女性の顔(額や頬や口の周り)にほぼ左右対称に出現する淡い褐色調のシミです。よく似た色調のものに、慢性的な物理的刺激で出来るシミや、化粧品成分の油の酸化が原因のシミがありますが、この場合は、それらの原因を取り除けばほぼ解消されます(原因を取り除いた上で、早く消すための治療はありますが)。
肝班は、これらと違って、その原因がはっきりしないため、その治療は非常にやっかいです。放っておけば、加齢とともに少しずつ消えてくるので、何か機能的な変化がおこっているのでしょうが、例えば、ホルモン(黄体ホルモン、卵胞ホルモンなど)の影響などが考えられています。ただ、私が信頼を置いている皮膚科医(肝班の治療でも日本のトップクラスですが)でも、肝班はよく解らない、と言います。そのため、治療には決め手がなく、ビタミン C,E ,トラネキサム酸などの内服薬が一般的な治療法になります。ビタミン A 酸やレチノイン酸を使用した治療法が近頃盛んに行われるようになってきましたし、私も
かなり以前よりこれの使用には試行錯誤していますが、簡単によくなる方もいるのですが、かなり苦労する場合もあります。はっきりとその原因がつかめない以上、対症的な治療しか行えないのは致し方ないところです。
脂漏性角化症 は、レーザー治療で事足ります。
両側性遅発性太田母斑様色素班 は、目の周囲(特に目の下から外側に多く)に出現する褐色調のシミに似たものですが、よく観察すると解るのですが、老人性色素班とまぎらわしいものや、肝班と混ざっているものもあったりするので、その治療選択を誤ってしまう場合があるようです。
治療は、色素レーザーできれいに消えますが、3回程度繰り返す必要があります。
炎症後色素沈着については、その炎症の原因を取り除く事、その上で、一定期間の経過観察が必ず必要になります。放置しておいて消えていくもの、いつまでも消えないものがあります。消えないものについては、基本的には、上記の老人性色素班と同じような治療選択になります。
以上、前回と今回で、シミの治療法を紹介しましたが、何もかもをレーザーで治そうとする医者、レチノインのみで治そうとする医者、ケミカルピーリング一本やりの医者、実はこのような医者を散見するのですが、どの治療がその方のシミ治療に優れているのか、また、ご本人の希望(治療期間や費用、治療後の目立ち具合など)も当然ある訳ですから、この点も重要にはなりますね。
次回は、シミは予防できるのかどうか、できるのであればその対処法、について考えたいと思います。
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