第12回 にきびについて考える 2006/3/25
 

その2 日本で行われてきた、有効でないニキビ治療

 

シミについては、以前にも書きましたが、これをちゃんと病気として取り組んでこなかったのかどうか、あまりにもおざなりにされてきたようで、全く同じ事が,ニキビについても言えると思います。

今まで長い間,日本でのニキビ治療と言えば,硫黄カンフルローションを主体にしたものでした。硫黄は,皮膚の角質を軟化させる作用があって、また殺菌力もあります。カンフルローションは、炎症をやわらげるものです。

この手の外用薬を処方する場合がほとんどで、これに、抗生物質(ダラシンやアクアチウムなどの名前のものですが)を追加したりしています。

薬局なんかで薦める薬は、ほとんどが、硫黄を配合したものです。

このような治療でニキビは治らない(一時的に少し改善する事はあっても)事は、よっぽどでなければ、実は皮膚科医は判っていたはずです。ただ,アクネ菌を叩けば良いと、抗生剤を使用したり、消毒薬を処方したり、まあこれで健康保険が適応される訳で、楽と言えば楽ですから、ここまで長く続いてきたのでしょうね。

例えば,これこれの癌には,この抗癌剤が少し(?)は有効(他にもう治療法がなくて、何もしないよりは良いかも知れない、それに保険適応でもあるし、と言ったふざけた理由ですが)などと言って、何にも有効なんかじゃない抗癌剤を処方するような場合と少し似ていて、ニキビなんかは、癌とは比べれば軽症も軽症で、尚更、このようなあまり有効ではない治療でも続いていたのだと思います。

また、いつ頃からか、漢方薬が保険適応となって以降、ニキビに漢方薬を処方する皮膚科医がかなり多くいるようです。漢方薬は、西洋医学での薬とは実は相容れないもので、西洋医学としての治療に漢方を利用するのは間違っているのですが(詳しくはどこかで書きますが)、硫黄カンフルローションで良くならなければ、今度は漢方で、と言う事でしょうか。

はっきり言いますが、体質改善と称して漢方薬を処方したところで、ニキビはほとんど改善されません。

近頃は,自由診療が盛んになってきて、多くの皮膚科医は従来の治療(上記したような健康保険適応の)ではない治療を、一斉に、と言っていいくらいの勢いで,始めています。これを見ても,今までのニキビ治療のいいかげんさが分かると思います。


次回は、どのような治療がニキビに有効であるのか、について話します。

 
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