第20 回 ワキガについて考える 2006/6/2
 

その2 ワキガ対策(1)

 

ワキガって一体何か、
また、日本ではワキガが忌み嫌われる事について前回で述べましたが、
今回はその対策について話します。

ワキガの対策として、
まず手術が考えられますが、
その他の方法、つまり保存的な方法から始めます。

•  保存的な対策

アポクリン汗腺の数量を減ずることは、 今のところ手術に拠る以外にないので、
保存的な方法となると、

1)アポクリン汗腺からのは発汗を減らす、
2)ワキの皮膚表層に存在する細菌を殺菌する、
3)汗の化学的変化(酸化)を防止する、
4)消臭あるいは脱臭、
5)精神面でのケアー、が考えられます。

1)アポクリン汗腺からのは発汗を減らす

アポクリン汗腺からの発汗のみを選択的に抑制できるものはなく、
エクリン汗腺からの発汗を主に抑制させるための制汗剤(デオドラント剤)は多く存在します。

ワキガ(腋窩腋臭症)の方は、
多くが腋窩多汗症(エクリン汗腺からの発汗が多い方)を合併しています (約 8 割)ので、
ワキガの方の多くが、この制汗剤を使用しています。

塩化アルミニウムやプロピレングリコール錯体など制汗作用のある物質はいくつかありますが、
日本では主に、その使い易さから、クロルヒドロキシアルミニウムが使用されています。

制汗剤には、いろんなタイプのものが市販されていますが、
やはり、アポクリン汗腺の発汗には無力で、
相当軽度の方でなければ、なかなかその解決法にはならないようです。

2)ワキの皮膚表層に存在する細菌を殺菌する

ワキの皮膚を清潔に保つために、特に女性の場合は、
腋毛の処理を怠らない事などはある程度有効でしょうが、
頻繁なシャワー浴、ワキの洗浄、がはたしてどれほどの効果があるかについては疑問です。

殺菌目的での抗生剤の使用については、
長期使用になる事もあってあまり現実的ではなく、
そのため、塩化ベンザルコニウムなどの殺菌作用のある物質を利用した医薬部外品が市販されています。

3)汗の化学的変化(酸化)を防止する

アポクリン汗腺から出た汗が、低級脂肪酸に変化する過程を防止する目的で、
ビタミンE やジブチルヒドロキシトルエンなどが使用されますが、
一般的な制汗剤ではなくて、これらの酸化防止剤やAの殺菌剤が含まれているものであれば、
多少有効ではあると思います。

4)消臭あるいは脱臭

他の臭いを利用してワキガ臭を覆い隠す、
あるいは、ワキガ臭そのものを脱臭する方法ですが、
前者の場合はハーブなどの香料を利用して、
制汗剤に配合したものが多いようです。
オーデコロン類の使用はかなり難しいように思います。

後者の場合、
一酸化マグネシウム、一酸化カルシウムなどで化学的な消臭をはかるのですが、
最近では、吸着、吸収作用のある物質が開発されていて、
その有効性は増してくるだろうと思われます。

5)精神面でのケアー

以下に述べます。

•  精神性発汗について

発汗には、精神作用によるもの(気にすればするほど発汗が促されるといった)があって、
これを精神性発汗と呼ぶのですが、
この場合は、アポクリン汗腺が大きく関与しています。
一般的には気にされる必要のない臭気であっても、
必要以上に強い病識を持つ方は多く、
それが悪循環となっていて、
その場合は、神経症の治療が必要となる場合もあります。

また、全く臭気がなくても、それをワキガであると判断するような、
そういう妄想を抱く場合もあって、
この場合は、間違いなく精神神経科での治療となります。

ワキガの方の場合、
保存的対策をとられている場合がほとんどですが、
やはりそれで解決している方は少なく、
次回は根治療法について話します。

 
《 前へ   《Dr.Hiro's Solutionトップへ戻る》 次へ 》