ビタミンを天然か合成かという観点からみてみることにしましょう。
同じビタミンであれば、天然であろうと、化学合成されたものであろうと同じだと断言する専門家がいます。
ところが、それは、相当、大雑把な認識なんです。おそらく、医師や薬剤師など、薬を扱う専門家にとっては、ビタミンなどの栄養素は、それほど重要ではないからかもしれません。
厳密の言いますと、
天然も合成も同じビタミンもありますし、人体での働きが相当異なるビタミンもあります。決して、一概には言えないというわけです。
例えば、ビタミンCです。これは、野菜や果物から取り出したアスコルビン酸であろうと、化学合成されたアスコルビン酸であろうと、化学式はC6H8O6で全く同じものであるとされています。
ところが、カロチノイドの一種であるβカロチンは、天然のものも、合成されたものも、化学式は同じC40H56なのですが、その立体的な構造が異なるのです。βカロチンをつくっている原子の種類と数は同じなので、化学式は同じになるのですが、その立体的な配置の仕方が異なることがあるのです。
やや専門的なお話しになりますが、その立体的な配置にはオールトランス型とシス型があって、天然のものと合成のものでは、それぞれの比率が異なるというのです。化学式が同じでも、立体的な構造が異なれば、性質も違ってきますので、“似て非なる”ものになるのです。
同じような違いが、ビタミンEでもみられます。ビタミンEを構成する8つの物質の1つであるアルファトコフェロールも天然のものと合成されたものでは、その立体構造が異なります。
これらのことは、既に、よく知られたことです。ただし、全てのビタミンについては、まだまだ、よく分かっていないようです。
いずれにしても、同じビタミンでも、天然のものと合成のものでは、似て非なるものであるビタミンがあるということです。
私たちの消化器官は、その“非なる”部分を明確に認識します。そして、本物のビタミンは歓迎しますが、似て非なるビタミンは、異物としてはじいてしまいます。人体はバカじゃないんですね。
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