いまやアパレルや食品、おもちゃ等、さほど高度な製造技術を要しない製品は、たいていは中国で、安く製造し、それを輸入するというのが世界的な流れであることは皆さんよくご存知の通りです。
とにかく、中国製は“安さ”が魅力だったわけですが、最近は、“危ない”製品であるという不安が世界的に広まってしまいました。
ところが、この図式は、ビタミンにも、丸々当てはまるのです。最終製品ではなく、原料として製造、輸入されていますから、消費者には“見えない”だけなのです。
もともと、ビタミンの製造はヨーロッパの大手製薬メーカーの独断場でした。たとえば、ドイツのBASFや世界で初めてビタミンCの合成に成功したスイスのロシェなどです。
ところが、ビタミンの製造には、それほど高い製造技術を必要としないわけですから、先進国に比べると、ただ同然の人件費や環境に配慮するためのコストで製造できる中国製には到底叶わないのはアパレルや食品と同じです。
結局、BASFはビタミンの製造から撤退、ロシェ社は、ビタミンの製造販売を部門ごと、DSMに売却し、自らは付加価値の高い製薬化学部門で勝負することにしましたわけです。
その結果、今では、ビタミンCは、中国の4つの大手ビタミン製造メーカーの世界の需要の60%を製造するに至ったわけです。
日本で有名なサプリメントメーカーも“黙って”中国製のビタミンCを使っているところは少なくありません。公表しないだけです。
対するスイスのロシェ社からビタミンCの製造部門を買収したDSMでは、高い品質を売りにしたビタミンCを「Quali-C」というブランドでサプリメントメーカーや食品メーカーに販売しています。当然、中国製に比べれば、割高ですが、高い品質を保証しているわけです。まあ、品質といっても、純度やトレーサビリティーといったレベルですが、食品としては重要です。
ところが、最近の中国製製品による健康被害が問題化して、先進諸国が中国政府に対して、製品の安全についてのプレッシャーを高めたことで、ビタミンCの製造メーカーに対しても、政府は環境に配慮するように規制を強化したものですから、原料のとこもろこしの価格が、ガソリンに代わる燃料としてエタノールが注目されてから、俄然、高騰してしまったこととあいまって、なんと、ビタミンCの価格がこの半年で、キロあたり、3.4ドルから、11ドルに高騰しているのです。
今後、ビタミンCのサプリメントの価格を上げるメーカーは、中国製原料を使っているとみていいのではないでしょうか?
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