鉄の吸収については、動物に含まれるヘム鉄が、植物性の非ヘム鉄に比べて吸収率が5倍もよいことが知られています。
ヘム鉄と非ヘム鉄は、どちらも鉄には違いないのですが、鉄がどんな化合物になっているかで、吸収率が大きく違ってしまうようです。鉄とどんな物質が結合しているのかの構造の違いが吸収率を左右するというわけです。
それでは、なぜ、同じ鉄分でもその構造によって体内への吸収度合いが違ってくるのでしょうか。ロンドン大学のキングスカレッジの研究チームがそのメカニズムを解明しています(Cell Vol.122 P.789-801)。
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鉄が腸から吸収される際に、鉄を運ぶ役割を担うたんぱく質が存在するというのです。鉄のトランスポーター(輸送体)とよばれている「HCP1」です。
そして、このHCP1は、鉄の吸収を促進させるだけではありません。HCP1は、体内の鉄の貯蔵量を察知して、適切な量を吸収するために、吸収度合いをコントロールしているというのです。
鉄が十分に足りていれば、新たな鉄の吸収を抑えて、もしも、鉄が不足気味であれば、その分、吸収を促すのです。いわば、調整弁のような働きもしているわけです。
この鉄の輸送体であるたんぱく質の存在が、鉄の不足を補い、過剰を予防しているのですね。
ですから、この輸送体と一緒になっている鉄をとらなければ、鉄が効率よく吸収されませんし、吸収量について身体の要求に応えることも出来ないわけです。
鉄のサプリメントをせっせと飲んでも一向に貧血が改善されないとか、反対に鉄が過剰になってしまうとかいうのは、輸送体と一緒になった鉄分をとっていないからからもしれませんね。
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