サプリメントの品質って何? その31

 
031 “科学的根拠”とは言うものの・・・
 

最近は、サプリメントの“科学的根拠”について、いろいろと言われるようになりました。ただですね、医薬品の科学的根拠は国のお墨付きですが、食品であるサプリメントの科学的根拠は全て“自己申告”です。ですから、サプリメントの科学的根拠については、使う側がきとんと評価することが絶対に必要です。

実際のところ、何をもって“科学的な”根拠と言えるのか、はなはだ、曖昧です。判断を誤らないためにも、知っておくべきポイントをいくつか挙げてみます。

★“テレビで放映された”ことだけでは科学的根拠にはなりえません。

「あるある」、「スパスパ」で放映!等、テレビというマスメディアで取り上げられたことを、その成分や製品の有効性の裏付けにしようという魂胆なのですが、マスメディアの特性として、正確性よりも、話題性やインパクトを優先するものです。例の“納豆事件”で懲りたはず。そろそろ、マスメディアで取り上げられたから、“間違いないだろう”という、オールドファッションな信仰は捨てるべきです。

★“偉い先生が言っている”ことだけでは科学的根拠にはなりえません。

たとえ、教授とか、博士という肩書きがあっても、その主張が、ほとんど、“独り善がり”であることは、実際のところ、少なくありません。きちんとした評価にさらされていないということです。まあ、肩書きには弱いのが人情ではあるのですが。

★“動物実験や試験管内実験で検証されている”ことだけでは科学的根拠にはなりえません。

動物で効果があっても人間でも同様の効果があるのかどうか、試験管という限定された環境で、働きが確認されたとしても、体内でも、同じように働くのかどうか、さらなる、検証が必要であることは言うまでもありません。

有効性や安全性の検証には、試験管内試験から動物実験をへて、ヒトへの試験をいうステップを踏むことが必要とされています。ですから、決して、試験管内や動物実験の結果をもって、結論にはなり得ないことを知っておきたいものです。

★“特許を取得している”からといって科学的根拠にはなりえません。

これは、かなり巧妙です。なぜなら、公的な機関のお墨付きがあるかのごとくに思わされてしまうからです。ところが、特許とは、そのアイデアに対して、独占してもよいとの権利を保護されるわけであって、有効性についてのお墨付きを得たわけでは、決して、ありません。印象とは恐いものです。

★“体験談がある”からといって科学的根拠にはなりえません。

これは、笑えません。体験談をこれでもかー!と並び立てられると、なんか、効きそうな気分になってくるから不思議なものです。

なぜか、人は、何らかの悩みがある時に、多少なりとも、有効な解決策を探すもので、解決策の評価なんて、どうでもよいことだからです。状況が切迫していればいるほど、この傾向は強くなります。

たとえ、それらが本当のことであったとしても、誰にでも当てはまるかどうかは、全く、別問題です。

この心理を悪用して、健康食品を販売するために、体験談を並べるのは、常套手段です。ちょっと、冷静に考えると分かるのですが・・・。

★“信頼のおける臨床試験のデータがある”からといって科学的根拠にはならないこともあります。

これは、もっと、巧妙です。なぜなら、たとえ、信頼のおける臨床試験で有効性が確かめられていても、その臨床試験で使われた成分と同じものでなければ全く意味がありません。

例えば、目にいいとされているビルベリーエキスの有効性は検証されていますが、ビルベリーエキスであれば何でもいいわけではありません。

なぜなら、有効成分とされているのは、「アントシアニン」なのですが、実は、アントシアニンには15種類あって、それぞれの配合バランスによって有効性が異なります。また、有効成分がどれくらいの濃度でどれくらいの量なのか、さらには、有効成分が全てのタブレットやカプセルに本当に入っているのかどうかによって、その製品の効き目は、おそろしく違ってくるからです。

きとんとしたチェックにさらされないサプリメントですから、自己申告の科学的根拠は、相当に曖昧なものと、心しなければなりません。

 
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