同じビタミンCでも、野菜や果物中に存在する天然の形態である“複合体”とそれらから抽出したり、人工合成したりした“単体”とでは、その働きにおいて、天と地ほどの差があることを、同志社大学の名誉教授で、日本における活性酸素の研究の第一人者でいらっしゃる西岡先生は以下のように説明されています。西岡先生のコラムの一部を先生の許可をいただいて転載させていただきました。
ビタミン類がカラダに大切な役割を果たしていることはだれでも知っていますね。とくにビタミンCは80年も前から、その重要性が知られていました。果物や野菜が不足すると出血しやすい壊血病という病気にかかり易いことから、ビタミンCの役割が分かったのです。でも最近になって、ビタミンCはもっと多くの働きをしていることが次々と明らかになってきました。その主なものは、活性酸素を消す、コレステロールを調節する、インターフェロンを作る、コラーゲンを作る、ウィルスをやっつける等です。
その結果、次のような効能があるとされています。
○ガン予防 ○カゼ予防 ○疲労回復 ○タバコの害を防ぐ ○アレルギーを抑える ○貧血を防ぐ ○ストレスを消す ○公害などの有害物質を消す ○目の健康を守る ○皮膚をきれいにする
なんと多くの役割でしょう。現代人に特徴的なさまざまな健康不安や病気の心配を解消する重要な働きをしているのです。それにもう一つ、ビタミンCには他のビタミンやくすりと違う大きな特徴があります。それは摂り過ぎたために有害になることが全くないことです。だから思いっきり多くのビタミンCを摂ることは健康と美容、そして長生きのパスポートだといえるでしょう。
しかし、ここで重大な事実があります。それは天然と合成のビタミンCの大きな違いです。「同じビタミンCなら天然も、合成も同じではないの?」と思われる方も多いことでしょう。しかし、私たちの研究によれば、この両者、どうやらだいぶ違うのです。
合成(単体)ビタミンCは食品添加物
ビタミンCの化学構造が明らかにされると、直ちに人工的な合成が始まりました。合成すると安く大量生産でき、大きな利益が期待できるからです。合成されたビタミンCは天然のものと化学式は同じです。しかし、果物や野菜の中にいたときとは、すっかり違う顔を持っているのです。
ビタミンCは酸化されやすい性質があります。この性質を利用して酸化防止剤として食品添加物に利用されています。つまり合成ビタミンCを添加しておけば食品は長持ちするのです。自動販売機などで買える缶入りウーロン茶などには、ビタミンCが表示されています。しかし、これはとんでもない間違いです。
ウーロン茶の工場では、たしかに合成ビタミンCを添加しています。しかし、皆さんが飲む時には、もはやビタミンCではなくなっているのです。つまり自分が犠牲になってウーロン茶の酸化を防止しているのです。
しかしこの時、重要な問題を引き起こします。それはこの酸化反応で活性酸素を発生させるのです。活性酸素はガンや生活習慣病、それに老化の原因になる悪玉ですからこれは困ります。
天然(複合)ビタミンCの大切な働き
果物や野菜をタップリとることが美容や健康につながることは常識です。このことは私たちの経験からも明らかですが、多くの動物実験でも証明済みです。私たちの細胞レベルの研究でそのメカニズムもわかっています。
ここで私たちの研究をご紹介しましょう。大腸菌などの細胞に活性酸素(過酸化水素など)を作用させて、生存できないようにしておきます。これに果物のジュースなどを与えますと、細胞が生き返ることを見つけています。その理由は、細胞の中で発生した活性酸素がジュースのビタミンCで消されるからなのです。
この時、ジュースのかわりに合成ビタミンCを作用させます。するとどうでしょう。細胞は生き返らないのです。それどころかもっと死にやすいのです。これは合成ビタミンCが活性酸素を消すどころか、むしろ発生させることを意味しています。
ワサビ・カラシの例でも
同じような例を、私たちの研究室でこれまでに多く見つけています。例えば、ワサビやカラシのツンとくる成分は、イソチオシアン酸アリルですが、この物質が合成され純粋な化学物質になると、猛烈な活性酸素を発生させる性質があることを私たちの研究で発見しました。ところがこの合成されたイソチオシアン酸アリルが食品添加物として、チューブ入りの加工ワサビ、加工カラシに使用されているのです。実際、この加工品をそのまま試験すると、やはり活性酸素を強烈に発生させ、しかも遺伝子を傷つけることを明らかにしたのです。
しかし、天然のワサビ、カラシでは全くこのようなことはなく、むしろ活性酸素を消す働きすら認められたのです。つまり天然では善玉なのに、合成されると悪玉に変身するのです。これらの研究結果は、権威ある国際雑誌「Journal of Environmental Medicine」(1998)に掲載されました。
20世紀後半は、天然の植物などから有効成分を取り出し、化学構造を決定し、人工的に合成して、医薬品などに利用してきました。こうすると安価にできるので、確かに私たちに役立ってきました。ただし、これらの薬品製造によって莫大な利潤を得たことも事実です。しかし、天然と合成の間には、善玉と悪玉の差すらあるのです。
|