サプリメントの品質って何? その46

 
046 アンチエイジングの行き着く先は?
 

今やアンチエイジングという言葉は、普通に使われるようになりました。単に、健康によいという程度の形容詞的な使い方がほとんどのようですが・・・。本来的には、アンチエイジングというのは、日本語では抗加齢ということで、健康で長生きする術ということになりますでしょうか。

さて、健康で長生きする術といっても大変漠然としているのですが、抗加齢医学は、どの程度の成果を出しているのでしょうか。従来の医療とは違い、治すというより予防ということになるわけですから、ともすれば、医学というよりも、おばあちゃんの知恵的なイメージに近いかもしれません。実際のところ、抗加齢医学で、長寿の秘訣として、唯一、検証されているのは、“カロリー制限”なのです。食べ過ぎないこと、要するに、“腹八分目”ですね。まあ、先人の経験則を科学的に検証したということになります。

もちろん、抗加齢医学は、単に、おばあちゃんの知恵が正しかったことを確めただけではありません。なぜ、腹八分目が健康で長生きする秘訣なのか、そのメカニズムも解明したとされています。

ごくごく簡単に言ってしまうと、長寿遺伝子を特定したということ。“Sir-2”と呼ばれているのですが、Sirというのは、Silent Information Regulatorの頭文字をとったもので、直訳すれば、静かな情報を管理するという感じでしょうか。静かな状態が細胞が長く生きるうえで大切だということになるのですが、このSir-2遺伝子のスイッチがオンになって、活性化すると細胞の分裂回数が増えるというのです。因みに酵母菌や線虫で、このSir-2遺伝性が活性化状態にあると寿命が50%も延びたことが確認されているようです。アメリカのマサチューセッツ工科大学のガレンテという教授が突きとめたそうです。

肝心の人間も、このSir-2遺伝子をもっていて、カロリーを制限すると、この遺伝子が活性化するのではとされています。

そして、この遺伝子が活性化する条件が他にもないか、必死で、探し、調べたのです。なぜなら、それがみつかると、カロリー制限しなくても、長生きできるわけですからね。そして、今のところ最有力候補が、「レスベラトロール」という、ぶどうの皮に含まれる物質なのです。ぶどうの皮に含まれるわけですから、赤ワインに豊富です。

この成分が、アメリカでは大変注目されていて、その成分を摂取することで、結果として、カロリー制限したことになるわけですからね。ですから、現在、先進国で爆発的に患者が増加している、2型糖尿病の治療薬としても使えそうだというのです。考えようによっては、夢の長寿薬なわけです。そして、このレスベラトロールの働きを突き止めたハーバード大学のシンクレアという教授は、サートリス・ファーマシューティカルズというベンチャー企業を設立し、既に、今年の春に株式公開しています。現在は、レスベラトロールをサプリメントとして販売しているようです。アメリカの先生は、なかなかやりますね。

なぜ、今、こんなことを話題にしたのかといいますと、つい最近、この会社の研究者が、レスベラトロールの1000倍の活性をもつ成分を発見したというニュースが世界を駆け巡ったからです。これまでは、レスベラトロールを効果的に摂取するためには、大量に摂る必要があったのですが、この成分の発見によって、その問題が解決されそうだというのです。早速、2型糖尿病やその他の加齢による疾患の予防や治療の新薬として、開発する計画のようです。

アメリカの研究とビジネスの連動した動きのすばやさにも目を見張るものがありますが、アンチエイジングの希望の星である新薬は、簡単に言うと、食べてもチャラという働くなわけですね。どっかで聞いたことがあるフレーズですね。こんな薬に頼るよりも、運動したほうが、よほど、健康的だと思うのですが。

さて、そんなアンチエイジング界ですが、この先、どんどん、寿命を伸ばすことが目的化していきそうです。でも、その成果として、高齢者がほとんどを占める社会をつくって、それで、私たちは幸福になれるのでしょうか?年金制度一つ満足に運用できないでいるのに、高齢化社会の幸福モデルを描くことが出来るのでしょうか?

 
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