NHK出版の「未来への提言」シリーズは、BSで放映された同名の番組の内容を本にまとめたものなのですが、その中で、「レオナルド・ガレンテ『長寿遺伝子』を解き明かす」というタイトルの本が出ました。サーツー遺伝子(Sar-2)という長寿遺伝子を発見したアメリカのマサチューセッツ工科大学教授のレオナルド・ガレンテ博士へのインタビューで構成されています。
このサーツー遺伝子が長寿遺伝性とよばれているのは、この遺伝子が多く存在する、すなわち、遺伝子がオンになると、寿命が伸びることが分かったからです。まさに、歴史的な発見だったわけです。
そして、最も興味深いことに、この遺伝子がオンになる条件が、カロリー制限と運動だというのです。要するに、カロリー摂取をほどほどにして、身体をよく動かすことが、長生きの秘訣だということですね。
ガレンテ博士によりますと、サーツー遺伝子の活動は生活環境に影響されるとして、以下のように述べています。
「太古の昔、あらゆる生物にとって重要なことは、食料が十分にあるのか不足しているのかを見きわめることでした。食料が十分にあるれば安心して生殖活動を行うことができ、種を保存することができます。しかし、食料不足の場合は、生殖を行わず持ちこたえ、次に食料が得られるときまで待つことが大切になってきます。そして食料が得られたら生殖するというわけです。ここで、そのときまで生殖活動を温存できるよう、若さを保つことが重要になります。ですから生物にとってサーツーのような遺伝子を持つというシステムは、きわめて理にかなったことだと思います。」
たくさん食べないで、身体を動かすことで、若さを保つことが出来るメカニズムは、種の保存のためだったというわけです。
そして、ガレンテ博士は、死ぬ直前まで健康に生活するためのキーワードは、「バランス」であると答えています。すべてにおいてバランスのとれた生活習慣が大切だということです。結局、アンチエイジングの本質は、健康にプラスなものとマイナスなものを区別して、プラスのものをとって、マイナスなものを排除するというような、一見、分かりやすい“方法論”ではなく、普段から、カロリーを控えたバランスのよい食事をし、身体をよく動かすという“習慣”のようです。付け焼刃な方法ではなく、自分の身体を若さを保つ体質にしておくということですね。
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