そんな、見方によっては、胡散臭いと言えなくもない、そんな有機ゲルマニウムなのですが、その後、西川院長ともども、しつこく調査し続けてきたのは、1つには、西川院長の医師としての、“直感”でしょう。
そして、もう1つは、この有機ゲルマニウムには、ある意味、知的な好奇心や興味関心をそそられるようなエピソードや噂が、調べれば、調べるほど出てきたからでしょう。
私たちの興味関心がそそられた理由の1つには、有機ゲルマニウムという成分の、“収まりの悪さ”です。成分としてみた場合、それも、人体に有用な成分としては、どうみても、“はみ出しもの”的な印象を持ってしまいます。
まずは、物質としてみたゲルマニウムは、元素記号が「G e」で、14族に属す元素です。元素というのは、地球上に存在する物質の最小単位で、これ以上には分解できないものですから、全ての物質や生命体の構成要素です。水素や酸素、窒素、炭素は4元素として、ポピュラーです。また、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛等の必須ミネラルは、私たちの身体にはなくてはならない微量栄養素で、水銀やカドミウム、鉛等の重金属は人体に蓄積すると有害な物質として知られていますね。ところが、ゲルマニウムは、鉱物ですから、ミネラルと言えなくもないのですが、必須ミネラルのように、人体にとってはなくてはならない成分でもありません。そして、金属と非金属の間、要するに、金属でもなく、非金属でもないのです。
このように、ゲルマニウムというのは、言ってみれば、何かのようではあるけれども、何かでない、要するに、物質として、何ともつかみどころのない物なわけです。
また、私たちの身体にとっての成分としても、同様な印象を抱かざるを得ません。
そもそも、有機ゲルマニウムは、基本的な栄養素ではないという意味で、一般的な食べ物中に含まれる成分ではありません(ただ、霊芝やさるのこしかけ、朝鮮人参、ニンニクなど、昔から漢方薬や民間薬として使われていた薬用植物等には、地中から吸い上げたゲルマニウムが含まれていると言われています)。
サプリメントの成分としては、不足しがちな微量栄養素であったり、或いは、最近、注目されているサプリメントの成分、コエンザイムQ 10やアルファリポ酸、L−カルニチンのように、食品から摂取したり、体内で合成され、生命活動に必要なエネルギーを産生するには、なくてはならない物質で、年齢とともに、減少することが避けられない成分であったりすると、とても分かりやすい訳です。これらを補えば、ちょっとは、老化を遅らせることが出来るのではと期待できますし、現に、アンチエイジングのサプリメントの中心的な存在です。
ところが、有機ゲルマニウムは、それらのどこにも属さないのです。さらには、実は、有機ゲルマニウムは、薬品として認可されたという過去があるのですが、今では、ほとんど使用されていません。現在、厚生労働省は、この有機ゲルマニウムを食品としています。
いかがでしょうか?ここでも、有機ゲルマニウムは、何かのようで、何かではない、のです。要するに、人体に有用な成分としても、何ともつかみどころのない成分なわけです。
そして、私たちが、もっとも首をかしげたのは、一時、全国の主要な大学の医学部や病院で、先を争うように、研究され、また、臨床試験に使用され、各種安全性を確認した試験、インターフェロンを増強することによるガン抑制作用をはじめとして、鎮痛・抗炎症作用、骨代謝調節作用、血圧調節作用、免疫細胞活性化作用等、驚くほど多彩な作用があることが明らかにされたにもかかわらず、そして、調べれば、調べるほど、有機ゲルマニウムを診療に使っている医師が全国にいること、また、有機ゲルマニウムに救われ、それ以来、手放せなくなったとう人が、著名人にも、相当いること、それにもかかわらず、世間では、評価が全く定まっていないことです。
そして、現在では、サプリメントに使用可能な成分であるにもかかわらず、いわゆる大手のメーカーでは、見向きもされていないことも、なんとも不可解なことでした。それほど、多彩な効能が確認されているにもかかわらず、です。
これらの不可解さを、当時、おそらく、現在も、有機ゲルマニウムを扱うサプリメントメーカーや販売会社は、単に、“神秘の”とか、“驚異の”有機ゲルマニウムという表現で片付けているように感じてなりません。私たちは、そんな伝え方は、かえって、有機ゲルマニウムに対する誤解を助長するだけなのではないかと危惧しながらも、かといって、自分たち自身も、「よく分からないけれども、凄い」という伝え方しか出来ないことに忸怩たる思いをしたものでした。
(細川忠宏)
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