有機ゲルマニウムに魅せられて
 
第八回 有機ゲルマニウム Ge-132の誕生  2006/3/5
 

★植物中のゲルマニウム

ゲルマニウムがガンの治療に使えるのではないかという発想は、遡れば、ヨーロッパ、特に、ドイツやフランスで、ゲルマニウム化合物によるガン治療の研究が、相当、熱心に取り組まれていたからのようです。

さらに、興味深いのは、浅井博士らが、さまざまな植物中に含まれるゲルマニウムの量を測定した結果です。その著書、「ゲルマニウムと私」では、「異常に多いものは、例外なしに漢方薬として重宝されている」とし、また、さるのこしかけ類や朝鮮人参、さらには、あらゆるキノコ類に豊富に含まれることを突き止めています。要するに、免疫力を向上させ、ガンによいとされていた植物には、ことごとく、ゲルマニウムが、他の植物に比べて、豊富に含まれていたというのです。

このことからも、浅井博士は、植物は、自らの成長のために必要なゲルマニウムを地中から吸い上げて、取り込んでいるのではないかと考えたようです。そして、その場合、生命体の存在するゲルマニウムは有機化合物であるはずであることから、有機ゲルマニウム化合物の開発に拍車がかかることになったようです。

★有機ゲルマニウムの合成に成功

1960年代に入り、石炭産業が斜陽化していくものの、(財)石炭総合研究所では、数多くのゲルマニウム化合物の合成研究が続けられた結果、1967年に、研究員であった及川浩、柿本紀博氏らは、水溶性のゲルマニウム化合物(化学名:カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド)の合成に成功しました。後に、WHOから略してGe-132という化学名が与えられていますので、以後、Ge-132と呼ぶことにします。

元来、エレクトロニクス産業立国をめざし、ゲルマニウムの国産化を目的として、国家予算が割かれて「ゲルマニウム研究委員会」が立ち上げられて 15年、石炭産業の斜陽化に伴い、ゲルマニウムの国産化は挫折したものの、ここに、人体にさまざまな有用性が期待できるゲルマニウム化合物の合成の成功として実を結ぶとは、当初、誰も予想だにしないことだったはずです。

★浅井博士の並はずれた個性と情熱

(財)石炭総合研究所も同様に、石炭産業の隆盛に伴い、石炭組織学の研究を目的に、文部省の外郭団体として設立された経緯から、 1960年代になって、石炭産業の斜陽化が顕著になって以降、研究所の維持運営そのものが困難になっていく中で、ゲルマニウム化合物の合成研究を継続することは、常識的には、到底、考えられないことで、一重に、浅井博士の有機ゲルマニウムの合成に成功して、多くの人々を救いたいという使命感からくる情熱を強く感じるものです。

 
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